恐ろし~い症状!急性化膿性乳腺炎とは
急に胸が痛くなったり、高熱が出たりする乳腺炎。
そんなつらい乳腺炎ですが、大きく分けると「急性乳腺炎」と「慢性乳腺炎」のふたつに分類されます。
さらに、急性乳腺炎は、「うっ滞性乳腺炎(うつ乳)」と「急性化膿性乳腺炎」のふたつに分けられます。
中でも急性化膿性乳腺炎は、乳房内が細菌感染することにより激しい炎症が起こるもので、その症状も苛烈です。
今回は、そんな急性化膿性乳腺炎について見ていきたいと思います。
急性化膿性乳腺炎の症状
急性化膿性乳腺炎は細菌感染によって起こりますが、
その多くは産後2~4週の間に発症します。
主な症状としましては、悪寒や戦慄を伴う高熱(38~40度)、
乳房のひどい腫れやしこり、
赤みまたはあざのように暗紫色になる、乳房の内側に激しい痛みを感じるなどがあります。
さらに悪化すると、全身の倦怠感や頻脈が起こり、患部のリンパ腺も腫れて痛み出します。
化膿して乳腺内に膿瘍(のうよう)ができてしまうと、母乳中に膿が混ざるようになります。
急性化膿性乳腺炎の原因
急性化膿性乳腺炎は、赤ちゃんが母乳を飲む際に何らかの原因により乳房内に細菌が入り、炎症を起こして発症してしまいます。
急性化膿性乳腺炎の場合は、ブドウ球菌や連鎖球菌、大腸菌などの細菌が炎症を起こしているそうです。
これらの細菌が乳房内に入る経路としては、まず「乳頭の傷」が考えられます。
特に新米ママの場合は授乳に慣れておらず、浅くくわえさせてしまったりして、乳頭に傷を作ってしまうのはよくあることです。
また赤ちゃんの吸う力はとても強いので乳首が負けてしまったり、歯が生えていたりすると噛まれてしまって傷ができます。
それらの傷口から細菌が入り、乳腺近くまで侵入してしまいます。
また、うつ乳によって外に出られない母乳が逆流してしまい細菌が入ってしまうケースや、赤ちゃんの口腔内の感染症が原因のケースもあります。
しかし、ほとんどが赤ちゃんの乳歯による乳頭の傷が感染経路とされているようです。
急性化膿性乳腺炎の治療法
急性化膿性乳腺炎の病院での治療法としましては、まず、鎮痛消炎剤、抗生物質、漢方薬などが投与されます。それでも症状が改善しない場合や、症状がひどい場合には切開手術をして中に詰まった膿を出したりすることもあります。
また、気になる授乳なのですが、急性化膿性乳腺炎と診断された場合には残念ながら、症状が治まるまでは授乳は中止と言われてしまうことが多いです。
最近では、急性化膿性乳腺炎でも授乳を続けられるように考慮してくれる病院もありますが、症状にもよりますし、まだまだ少ないのが現状です。
授乳の中止は、ママも勿論つらいですが、産まれてからずっと母乳を飲んできた赤ちゃんにとってもつらいですよね。
そうなってしまわないためにも、日頃から急性化膿性乳腺炎の危険を頭の片隅に置いておき、予防を心掛けることが大切です。
具体的には、乳頭や乳輪を清潔に保つこと、乳頭に傷がある場合にはお薬やワセリンを塗ってラップなどで保護し、早めに傷が治るようにケアすることです。
最近では赤ちゃんが口に含んでも大丈夫という軟膏もありますし、それでも心配な場合には、授乳後に母乳を塗るのも傷に効果があります。
また、なるべく傷をつくらないように、授乳の際には赤ちゃんに深めにくわえてもらうように気をつけることも大切です。
急性化膿性乳腺炎を予防して、ママも赤ちゃんも限られた授乳期間を楽しく満喫できると良いですよね。