授乳頻度と母乳の仕組み〜頻回授乳はいつまで?〜
母乳育児の基本:頻回授乳
生後間もない赤ちゃんには欲しがるだけ母乳をあげて構わない、というのが母乳育児の基本です。赤ちゃんが欲しがるだけ授乳するこの授乳法は、「頻回授乳」と呼ばれます。
頻回授乳が基本とされるのは、赤ちゃんが一度に飲める量が少ないためでもあり、また母乳の出を良くして分泌量を安定させるためでもあります。
赤ちゃんが生まれてからしばらくの間、ママは昼夜問わず定期的な授乳を頑張ってきたかと思います。
生後2ヶ月、3ヶ月と経ってくると、授乳の間隔にも個人差が出てきますが、赤ちゃんの授乳間隔が落ち着かない、また、いつまで頻回授乳を続ければ良いのか、悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、頻回授乳と母乳の関係や、授乳ペースの落ち着く目安の時期などについてご紹介していきます。
頻回授乳で母乳がたくさん出るようになるのはなぜ?
母乳の出と量を安定させるために新生児期に頻回授乳が推奨される理由は、「プロラクチン」「オキシトシン」という二つのホルモンに関係があります。
プロラクチンは母乳の生産に、オキシトシンは母乳を乳管に押し出す射乳に、それぞれ必要なホルモンです。
赤ちゃんに母乳を飲んでもらうことにより乳頭が刺激されると、プロラクチンとオキシトシンの血中濃度が上昇し、母乳の生産や分泌が促されるのです。
特に、授乳回数とプロラクチンの関係は重要であり、24時間以内に8回以上授乳すると、授乳と授乳の間のプロラクチンの血中濃度を防ぐことができ、母乳の生産が安定すると言われています。
しかし、頻回授乳はママにとっての負担が大きく、睡眠不足や疲労で身体も辛いというのが正直なところです。頻回授乳はいつ頃まで続くのか、授乳ペースの調整について考えていきましょう。
頻回授乳はいつ頃まで?授乳頻度を落としても大丈夫?
一般的には、生後3ヶ月を過ぎた頃から授乳のペースが落ち着いてくることが多いようです。
赤ちゃんの成長と共に哺乳力が強くなり、満腹中枢も発達してくるので、おっぱいを求めて泣く回数も次第に減ってきます。
生後3ヶ月以降も完全母乳を続けたい場合は、いきなり授乳の回数を減らすのではなく
赤ちゃんとママのペースに合わせて徐々に回数や間隔を調整していきましょう。
とはいえ、赤ちゃんによっては、3ヶ月を過ぎても授乳回数が落ち着かないことも十分あり得ます。
不安に感じることもあるかも知れませんが、個人差によるものなので、あまり神経質にならずに赤ちゃんのペースに合わせてOKですよ。
あまりに泣いてしまうようなら、おっぱいが欲しい以外に何か要求がないか色々試してみるのも良いでしょう。
おむつを替えて欲しい、暑い、寒いなど、色々な要求を赤ちゃんは泣くことで周りに伝えます。
3ヶ月頃になると、これらの要求の他に甘えたかったり、抱っこして欲しくて泣くこともあります。
筆者も3ヶ月を過ぎた子が頻繁に泣くのでひたすら授乳をしていた時期があったのですが、ある日、抱っこしてみたらたちまちご機嫌になったことがありました。
抱っこして欲しいという欲求が満たされる他、周囲がよく見えて気分転換にもなるようです。
また、疲労と睡眠不足で疲れているママも、改めてただ赤ちゃんを抱っこしてみると、
意外なほど気分転換になったり気持ちが楽になりますよ。
授乳ペースが落ち着いてくると、母乳が足りているかどうか心配になることもあるかと思います。授乳の頻度を落としても、順調に体重が増えているようなら心配はありません。
体重の増加が芳しくない場合は、母乳が足りていない可能性もあります。
体重の増加具合や、ミルクを足すべきかなどの対策について、小児科医や助産師さんに相談してみると良いでしょう。
授乳期間に無理は禁物!
頻回授乳が続くと、体力的にも辛いものです。赤ちゃんのためにも無理は禁物なので、家事などもほどほどに、赤ちゃんが寝ている時にはママも一緒に休んでくださいね。
授乳期間は、赤ちゃんとママの信頼関係が強まる時期でもあります。
赤ちゃんとの時間を大切にして、授乳の時間を「幸せ」と感じられると良いですね。