知っておこう、”肉芽腫性” 乳腺炎の症状や治療法
授乳中以外でも起こる乳腺炎のひとつとして、肉芽腫性乳腺炎があります。
比較的まれな疾患ではありますが、
若い女性から高齢の女性まで
幅広い年代の方に発症するおそれのある乳腺炎です。
今回は、そんな肉芽腫性乳腺炎の症状や治療法について見ていきたいと思います。
☆肉芽腫性乳腺炎とは?
肉芽腫性乳腺炎とは、授乳期以外にも起こり得る難治性の乳腺炎です。
名前にもある通り「慢性肉芽」がある限り、一度症状が治まったとしても再発を繰り返してしまうため難治性だと言われています。
難治性と聞くとショックを受けてしまいますが、
肉芽腫性乳腺炎は無菌性であり、良性なので命に関わることはありません。
肉芽腫性乳腺炎の症状としては、授乳期によく起こる乳腺炎と同じく、乳腺のしこりや膿、腫れや痛み、発熱、皮の赤みの他、関節痛や欠節性紅斑が現れることもあります。
肉芽腫性乳腺炎が起こる原因としては、
免疫が過剰に反応してしまう「自己免疫疾患」が関係していると言われていますが、
肉芽腫性乳腺炎自体の症例が少なく、
症状や原因についてもよく分かっていないのが実情です。
また、症例の少なさから乳ガンや結核など他の病気に間違えられてしまったり、誤った治療をされてしまうこともありますので注意が必要です。
☆肉芽腫性乳腺炎の治療法は?
上述した通り、肉芽腫性乳腺炎はよく知られていなかったり、
他の病気と間違えられてしまうことがありますので、
肉芽腫性乳腺炎によく理解のある病院や先生に診てもらうことが一番大切です。
その上での治療法は、基本的には、ステロイドによって炎症を抑えながら、患部にチューブを挿入して膿を出す(ドレナージ)という方法です。
排膿時など特別な炎症がある場合には、一時的に抗生物質が使われることもありますが、基本はステロイドによる治療のようです。
ある程度ステロイドを使用し続けても経過があまりよくない場合には、手術をして肉芽を切除することもあります。
手術をする場合でも、炎症がひどい急性期には行わず、ステロイドで炎症を抑えられるところまで抑えてから行われるようです。
しかしながら、ステロイドや手術で一度症状が改善したとしても完治したとは言い切れませんので、症状が治まった後も定期的に病院に通って超音波検査などを受ける必要があります。
肉芽腫性乳腺炎は気長に付き合っていかなければならない疾患ですが、
完治されたケースもあったり、肉芽腫性乳腺炎だからといって母乳育児ができないということはありません。
もしも、「肉芽腫性乳腺炎かも」、「この治療で本当に良いのかな?」と不安に思ったときには、肉芽腫性乳腺炎を多く扱っている病院や、セカンドオピニオンにかかるようにしましょう!