もはや常識!?母乳の栄養はいつまであるの?
赤ちゃんが1歳になったのを機に断乳を決行したり、
“いつまで母乳をあげようかな……”と考え始めるママさんが多いですよね。
その背景には、保育園やママの体調などのやむを得ない事情の他に、
「1歳を過ぎると母乳の栄養はなくなる」という情報があることが考えられます。
果たして本当に、母乳の栄養はなくなってしまうものなのでしょうか。
また、なくなってしまうとしたら、いつまで栄養があるのかというところも気になりますよね。
そこで今回は、母乳に栄養はいつまで含まれているのかについて調べてみました。
母乳にはいつまで栄養があるの?
産後すぐから1週間ほどにわたって出る、
黄色くドロッとした母乳のことを「初乳」と言います。
この初乳には栄養や免疫成分がたっぷりと凝縮されており、
生まれたばかりの赤ちゃんを病気から守ってくれる働きをしています。
初乳は産後1週間ほどの期間しか分泌されず、
その後はサラサラとした白っぽい成乳へと変わります。
ここで、“初乳が終わってしまったから、もう母乳にはあまり栄養がないのかな……”
と思ってしまうママさんもいらっしゃるかも知れませんが、
成乳は赤ちゃんの成長に合わせて必要な栄養を含むように作られており、
その時々の我が子に一番合った栄養を届けることができる優れものなのです!
しばらくの間は、赤ちゃんはこの母乳(成乳)だけを飲んで成長してゆきますが、
生後5、6ヶ月頃になると離乳食が始まりますよね。
では、離乳食が始まったら母乳の栄養は今度こそなくなってしまうのかというと、
決してそうではなく、離乳食期には離乳食期に見合った栄養が
きちんと含まれるようにできているのです。
離乳食は食材の固さや大きさなどを段階的に変えて進めていき、
最終的に赤ちゃんを食事に慣れさせるための練習期間のようなものですので、
離乳食の時期の赤ちゃんはまだまだ母乳の栄養が主力です。
ただし、赤ちゃんが1歳を過ぎる頃になると、
母乳だけでは補いきれない栄養素(主に鉄分)が出てきますので、
不足分を食事から摂取する必要があります。
こうして成長するにつれて、食事から栄養を摂ることがメインとなっていきますが、
決して母乳に栄養がなくなってしまうわけではなく、
飲ませ続ける限りは母乳にはいつまでも栄養や免疫が含まれ続けているのです。
そのため、「1歳を過ぎたら母乳の栄養はなくなる」という話は間違いであり、
そもそも、栄養が含まれていない母乳なんて存在していないのですね。
☆母乳は心の栄養でもある
近年では、母乳(=授乳)が赤ちゃんの身体に与える効果だけではなく、
心に与える効果についても注目されています。
母乳を飲むことにより、赤ちゃんは、
他には代えることのできない絶大な安心感や信頼感を感じることができますが、
成長して食事から栄養を摂れるようになった子であっても、その効果は変わりません。
母乳や授乳によるスキンシップは、
お子さんの心を安定させてくれる精神安定剤のような効果があるため、
情緒の安定した穏やかな子やしっかりと自信を持った子に育ってくれる他、
いずれ親から離れて自立していくための揺るぎない土台づくりにも一役買ってくれるのです。
そんな母乳はまさに「心の栄養」であると言えますね!
☆いつまで母乳をあげるのかという問題
心の栄養にもなることが分かりましたが、
それでも1歳を過ぎたら母乳をやめるというママさんが後を絶ちません。
これは、1歳前後で断乳をしてきた昔からの育児の流れが、
いまなお根強く残っているためです。
周囲の人から「まだおっぱいあげてるの?」
と言われたことのあるママさんも多いことでしょう。
しかし、現在では、母子手帳に以前記述のあった「断乳」という文字が削除されていたり、
WHOも授乳を2歳まで続けることを推奨していたりと、
できる限り長い期間授乳を続けることが主流となっています。
いつまでも赤ちゃんの身体や心に栄養を与え続けてくれる母乳ですので、
ママの環境や体調が許すのであれば、
赤ちゃんが自分から離れていくまで授乳を続けられるのが理想ですね。