母乳育児中にダメなものシリーズ|1歳未満へのハチミツは大丈夫?
先日、生後6か月の赤ちゃんが、
離乳食に入っていたはちみつにより乳児ボツリヌス症を発症し亡くなる、
というニュースが報道されました。
この事件を受け、東京都では、1歳未満の子にはちみつを与えないよう、
改めて注意喚起を行いました。
そこで、母乳育児で赤ちゃんを育てているお母さんが、
はちみつを食べてもよいのか、
またその他にも授乳中に気を付けたほうがよいと言われている食べ物についてまとめてみました。
○ハチミツからの乳児ボツリヌス症とは?母乳育児中はダメなもの
乳児ボツリヌス症とは、主に1歳未満の赤ちゃんが、食品等に含まれるボツリヌス菌の‘芽胞’と呼ばれる菌の種になるようなものを摂取することにより起こるものをいいます。
もともとボツリヌス菌は、激しい食中毒の原因となる菌ですが、その発生原は、食品等で繁殖したボツリヌス菌そのものであり、芽胞が原因の乳児ボツリヌス症とは区別して考えます。
生後1歳までの赤ちゃんは、腸内環境が未熟であるため、芽胞を取り込んでしまうと、ミルクなどの栄養分を腸内で取り込んでいることも手伝って、芽胞が腸内で発育し、繁殖してしまいます。
すると頑固な便秘から症状が始まり、進むと筋弛緩の症状が出て、呼吸困難などを起こし、やがて死に至ります。
芽胞は、腸内環境が整えば、たとえ体内に入っても発育することはないため、1歳以上の離乳食が完了したお子さんや大人は、乳児ボツリヌス菌の発生を心配することはありません。
○母乳育児とはちみつ、離乳食で気を付けること
授乳中のお母さんがはちみつを摂った場合、ボツリヌス菌の芽胞が赤ちゃんに移行してしまうのでしょうか。
答えはいいえ。お母さんは腸内細菌で芽胞を処理できるため、ボツリヌス菌が繁殖することなく、その後母乳を与えても問題はありません。はちみつは砂糖よりもカロリーが低く、ミネラル分も豊富に含まれているため、ママにはおすすめの食材です。
また、赤ちゃんへのはちみつ摂取ですが、市販品のジュースや一部のお菓子類にも使われていることがありますので、注意が必要です。
赤ちゃんの離乳食として市販品を使う場合は、食品成分の表示を確認するか、心配な場合は‘乳児用規格適用’表示のあるものを利用しましょう。
赤ちゃんへのとりわけ離乳食として、薄味をつける場合には、砂糖もよいですが、「甘酒」がオススメです。やさしい味付けになり、主原料がお米、さらに発酵食品ということで、家族みんなにメリットがある調味料です。
○母乳育児のお母さんが気を付けたほうがよい食品って?
はちみつ以外にも、お母さんが母乳育児を続けるにあたり、
口にしてもよいか心配する食品もあるかと思います。
たとえば、妊娠中避けるように言われた刺身について。もしお母さんが食品により食中毒をり患した場合でも、原因となる細菌が、母乳に移行することはないため、接触や飛沫による感染を防ぐことができれば、赤ちゃんに母乳を与えても問題ないとされています。
また、まぐろなどに微量に含まれる水銀についても、それが母乳に移行することはないため、心配することはありません。
もし食中毒などにかかってしまっても、現在では母乳に影響のない薬の処方を考えて下さるお医者様も増えていますので、もし体調に不安があった場合には、我慢せず早めに受診しましょう。
早く対処すれば、その分投薬も短くて済みます。
このことから、食品が母乳に影響することは少ないと思われますが、授乳中は、赤ちゃんのアレルギーのことも念頭におき、お母さんが口にするものはいつもより少し気を付け、赤ちゃんの様子もよく観察しておくと安心ですね。