夜泣きはカフェインのせいだった!?母乳に移行するってホント?
「妊娠中や授乳中にはカフェインは良くない」
または、「カフェインは夜泣きの原因になる」という話を聞いたことはありませんか。
“聞いたことはあるけれど、どうしてダメなのかよくわからない”、
“飲みすぎなければ平気と言うけれど、どのくらいが飲みすぎなの?”
と、疑問に思っているママさんもいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、カフェインと夜泣きの関連性や母乳への移行度合いについて
見ていきたいと思います。
☆カフェインが夜泣きの原因になるってホント?
そもそもカフェインとは、アルカロイドという天然由来の有機化合物の1種であり、
興奮作用を持つことで知られています。
その興奮作用から眠気や疲労の除去に用いられたり、
解熱鎮痛作用もあるため、頭痛薬に含まれていることも多いです。
このように、眠気や痛みを吹き飛ばしてくれるカフェインですが、
大量に摂取すると不眠症状や精神的な興奮状態、頻脈などの症状が起きてしまうこともあります。
カフェインを摂取した本人に影響があるのはもちろんですが、
カフェインは胎盤や母乳を通して赤ちゃんにまでも移行してしまうので、
妊娠・授乳期には注意が必要なのです。
具体的な赤ちゃんへのカフェインの影響としては、
・1日150mg未満のカフェインを摂っている妊婦さんと、1日300mg以上摂っている妊婦さんとでは、後者の方が流産のリスクが2倍になる。
・1日8杯以上のコーヒーを飲む妊婦さんでは、死産のリスクが高まる。
・母乳からのカフェインの移行により、赤ちゃんの落ち着きがなくなったり、夜泣きがひどくなる。
・乳幼児突然死症候群の発生率が高まる。
といった報告があるそうです。
これらのデータを見ると、カフェインは夜泣き以上に、
赤ちゃんにとって、とても怖い影響を与えるものなのだということが分かりますよね……。
冷静に考えてみれば、大人ですら眠る前にコーヒーを飲んだことが原因で
寝付けなくなったりするのですから、
カフェインの移行した母乳を飲んだ赤ちゃんが夜泣きをしたり、
興奮してしまうのは当たり前のことでもありますね。
コーヒーだけじゃない!母乳に移行してしまうカフェインを含む食品
“コーヒーはほとんど飲んでいないのに、赤ちゃんが夜泣きをする”
というママさんもいらっしゃるかも知れません。
カフェインといえばコーヒーというイメージがありますが、
実は、カフェインが含まれている食品はコーヒー以外にもたくさんあるのです。
例えば、100mlあたりに含まれるカフェインの量を比較してみると、
エスプレッソコーヒーが280mg、ドリップコーヒーが90mg、インスタントコーヒーが57mg、紅茶は30mg、コーラは46mg、ココアは9mg、ウーロン茶、緑茶は20mg、玉露は120mg、チョコレートは100g中61mg
となっており、特に玉露がカフェインの量が多い点や、
チョコレートはインスタントコーヒーよりもカフェインが多く含まれている点にも注目です。
もちろん、ママが摂取したカフェインの量がそのまま赤ちゃんに移行するわけではなく、
ママが摂取した量の0.06~1.5%程度が母乳を通じて赤ちゃんに移行すると言われています。
この数字を見ると、移行する量はほんの少しのようにも感じますが、
赤ちゃんは肝臓が未熟なためにカフェインを排泄するのに時間がかかってしまったり、
反応が強く出てしまいやすいので甘く見てはいけません。
夜泣きの原因は決してカフェインだけではありませんが、
最近夜泣きがひどくなったな、と感じた際には、
一度ママのカフェインの摂取量を見直してみると良いでしょう。
☆カフェインレスやローカフェインで夜泣きを防止しよう!
カフェインは母乳や胎盤を通じて、
赤ちゃんに夜泣きなどの影響を与えてしまうことがわかりましたが、
ただでさえストレスの溜まる育児中、大好きなコーヒーやチョコレートを我慢するのはつらいものですよね。
コーヒーであれば、近年は「たんぽぽコーヒー」など
カフェインレス(デカフェ)の美味しいコーヒーがたくさん販売されていますので、
授乳期にはカフェインレスの商品を色々試してお気に入りを見つけるのも良いでしょう。
一方で、カフェインレスのチョコレートというものは
残念ながらなかなか売られていないのですが、なるべくローカフェインの商品を選ぶことで、
母乳や赤ちゃんへのカフェインの移行量を抑えることができます。
例えば、ダークチョコレートや“カカオ70%”など高カカオのチョコレートは、
通常のミルクチョコレートに比べて2.3~4倍のカフェインが含まれている
と言われていますので授乳期には避け、
逆に、チョコレートの中でも最もローカフェインであるとされるホワイトチョコレートを
選ぶようにすると良いと思います。
また、ココアが飲みたい場合には、ネスレの「ミロ」が通常のココアよりもローカフェインなのでおすすめです。
カフェインの体外排出にかかる時間は比較的短いとされていますので、
チョコレートを食べる際には授乳後すぐに食べるようにするのも、
赤ちゃんへの移行量を少なくするためには効果的です。
他に、最近では「キャロブ」というマメ科の植物が、
チョコレートの味がすると話題になっており、カフェインやコレステロールが含まれていないことから、
ダイエットや妊娠・授乳期にチョコレートの代わりとして食され始めているそうです。
このようにカフェインレスやローカフェインの食品を選び、
カフェインの母乳への移行を極力抑え、
夜泣きなど赤ちゃんへの悪い影響を防ぐことができると良いですね!