種類・症状別!乳腺のつまりによるしこりとその対処法
授乳中におっぱいのしこりに気がつくことがありますよね。
一言でしこりと言っても硬さや痛みも様々で、
中には「乳がんのしこりだったらどうしよう……」
と不安になってしまう方もいらっしゃいます。
そこで今回は、授乳中に発見されるしこりの違いや、
しこりの対処法についてまとめてみたいと思います。
☆授乳中に発見されるしこり5つ
授乳中に見られるしこりには、主に「うつ乳」、「乳腺炎」、
「膿瘍(のうよう)」、「乳瘤(にゅうりゅう)」、「乳がん」によるものの5つが考えられます。
うつ乳や乳腺炎によるしこりは、
授乳後に赤ちゃんが飲み残した母乳や、
うまく吸ってもらえなかった乳腺の母乳が、
乳腺をつまらせることによって生じます。
そのため、この場合のしこりの中身は古くなった母乳ですので、
つまりを解消して中の母乳を出してしまえば、しこりも消えます。
うつ乳や乳腺炎によるしこりは痛みを伴い、
触るとグリグリとした感触です。
乳腺炎が悪化したり、細菌感染して化膿性乳腺炎になると、
膿瘍ができてしまいます。
膿瘍の中身はもちろん膿ですので、
この場合には膿をしっかり出してあげないとしこりは消えません。
膿瘍によるしこりは、ブヨブヨとした感触であるのが特徴です。
続いて、乳瘤ですが、
これは乳腺内に母乳が袋のように溜まってしまった状態です。
乳瘤は、うつ乳や乳腺炎と同様に、
授乳後に残ってしまった母乳が溜まってできることが多く、大きさやできる数も様々です。
乳瘤によるしこりは、授乳を続けているうちに小さくなったり、
卒乳後には体内に吸収されて自然に消えてしまうことがほとんどです。
乳瘤によるしこりは、触ると動いたり、
押すと痛みを感じる場合が多いようです。
最後に乳がんですが、乳がんのしこりは小石のように硬く、
痛みがなくて無症状なのが特徴です。
授乳中にできるしこりの大半が乳腺のつまりによるもので、
乳がんであることはまれですが、
念のためにも感触の違いなどを頭に入れておくと良いでしょう。
☆乳腺のつまりによるしこりの対処法とは?
うつ乳によるしこりの対処法は、
積極的に授乳をして赤ちゃんにいろいろな角度から吸ってもらうことです。
赤ちゃんに吸ってもらうことによってつまりが解消すれば、
しこりも消失します。
赤ちゃんに飲んでもらっているときに、
しこり部分を押しながら授乳をするのも効果的なようです。
また、普段から意識して縦抱きやフットボール抱きなど
いろいろな体制で授乳をすることによって、
うつ乳やしこりを予防することができますので試してみましょう。
細菌性の乳腺炎の場合は、
抗生物質を服用する必要があります。
抗生物質を飲んでいる場合でも授乳を続けられることが多いので、
うつ乳と同様に赤ちゃんに吸ってもらって、乳腺のつまりとしこりを解消しましょう。
助産師さんなどプロの手でおっぱいマッサージをしてもらうのも良いですね。
膿瘍になってしまった場合には、
針を刺してしこり部分の膿を排膿したり、
切開をして膿を出さなければなりません。
一度で全部膿を出しきることはなかなかできませんので、
ドレーンというチューブを挿入し、そこから膿を出しつつ、
毎日の消毒やガーゼ交換が必要になります。
膿瘍の処置は産科で行われることもありますが、
乳腺外科を紹介されることが多いので、
気になる症状がある場合には早めに乳腺外科を受診してみましょう。