いまさら人に聞けない「母乳」がつくられる仕組み
乳腺炎予防のために母乳がつくられる仕組みを知ろう
母乳育児で子育てをしているママさんの多くが乳腺炎についての悩みを抱えています。
乳腺炎に何度もなる・突然乳腺炎になってしまった・治ったと思えばまた別の場所に…など、本当に痛くてツラいですよね。
今回は、乳腺炎の予防・改善のためにもまずは母乳がつくられる仕組みについてみていきたいと思います。母乳がつくられる仕組みを知っておくと、乳腺炎についても対処しやすくなることでしょう。
おっぱいのつくりと母乳がつくられる仕組み
まずは、おっぱいの仕組みから勉強していきましょう。
おっぱいは乳頭→乳管洞→乳管→小葉(木の根のような形で乳腺組織が張り巡らされているため、“葉”という)という繋がりで出来ています。
母乳が作られる場所が小葉という部分で、
そこでつくられた母乳が乳管を通って乳管洞に溜まるようになっています。
赤ちゃんの吸いつきにより乳管洞が押され、母乳が出るのです。
母乳の通り道となる乳管はとても傷つきやすくなっているので、
乳房を強く揉んだり押さないように気をつけましょう。
乳腺炎とは、母乳が作られる小葉と母乳の通り道である乳管の部分が
何らかの理由によって炎症を起こすことを指します。
乳腺炎の種類|「急性うっ帯性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」
急性うっ帯性乳腺炎は母乳の飲み残しが原因となる炎症であり、化膿性乳腺炎は細菌が入ったことによる炎症のことです。高熱や強い痛みのある乳腺炎の場合はほとんどが化膿性乳腺炎だと考えてよいでしょう。
では、母乳がつくられる仕組みですが、妊娠後期になるとかかりつけの産婦人科の助産師さんから母乳が出るか聞かれた方も多いと思います。
出産の時期がせまってくると、ママさんの身体も出産後の準備が始まります。おっぱいマッサージのしかたなども助産師さんから教わったことでしょうが、このマッサージで刺激されて母乳が出るようになるのです。
まだ妊娠中は母乳はほとんど出ない方も多くいます。
母乳が出るようになるにはホルモンの活動が必要であり、出産をすることで胎盤を体内から排出しますが、この胎盤から妊娠中に分泌されていた2つのホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が胎盤を排出することによって急激に減少します。
するとプロラクチンという乳汁抑制などの役割をしていたホルモンが活発化して乳腺にはたらきかけるようになり、乳汁の生産が始まります。これが母乳がつくられる仕組みなのです。
上記の3種類のホルモンは、互いにバランスを取りながら活動しています。プロラクチンは抑えられていただけであり、出産前でも乳腺にはたらきかけを行っているためにマッサージの刺激で、作られていた母乳が出るようになるのです。
乳腺トラブルにあわないために
おっぱいのつくりと母乳がつくられる仕組みについて、少しご理解いただけたでしょうか?
では、乳腺炎にならないためにも日頃からどういった点に気をつければよいのかを以下にまとめていきます。
助産師さんからのご指導にもあったと思いますが、食事内容は非常に大切です。甘いものは避け、和食中心を心掛けましょう。乳腺が詰まらないようにするためです。
そして、水分補給はいつもより多めにしましょう。また、乳首周りは清潔にしておくことも重要です。乳首からの菌の侵入を防ぐためにも、下着やパットはこまめに変えてくださいね。
乳腺炎にならないためにも日頃の生活にも気を配りながら、予防をしていきましょう。
万が一乳腺炎になってしまっても初期段階のうちに対応をし、それでも改善しないようでしたら一人で悩まずに専門機関に相談するようにしてください。早め早めの対応をしながら授乳期間を楽しめるといいですね!