母乳育児中だけどアルコールを飲んじゃった!何時間後から授乳OK?
母乳育児中のママさんは、妊娠中からアルコールを我慢していらっしゃる方がほとんどだと思います。
それでも時には、「つい誘惑に負けて飲んでしまった……!」ということもあるかも知れません。
もし、母乳育児中にアルコールを飲んでしまったら、
その後の授乳は何時間後から可能なのでしょう。
今回は、そんな気になる授乳とアルコールの関係や赤ちゃんや母乳への影響について
見ていきたいと思います。
☆そもそもアルコールが母乳や赤ちゃんに及ぼす影響とは?
母乳は血液からできていることをご存知のママさんも多いと思います。
アルコールを摂取すると血液中のアルコール濃度が上がるのですが、
そうすると当然母乳にもアルコールが移行してしまいます。
特に、飲酒後すぐに授乳をした場合には、
高いアルコール濃度の母乳を赤ちゃんに飲ませることになってしまうのです。
通常、アルコールは肝臓で分解されるのですが、
赤ちゃんはまだ肝臓の機能が未熟なために、アルコールをうまく分解することができません。
また、赤ちゃんは脳もまだ未熟なために、アルコールの影響を脳にも強く受けやすくなっています。
そのため、急激に体内のアルコール濃度が上昇すると、
急性アルコール中毒となってしまうおそれがあるのです。
実際に、ワインをボトル1本飲んだママさんが生後8日の赤ちゃんに授乳をした際に、
赤ちゃんが急性アルコール中毒となってしまったという事例もあるようです。
急性中毒症状が現れなかったとしても、低身長や低体重、記憶障害、学習障害など、
アルコールは赤ちゃんの脳や体に深刻な影響を及ぼすおそれがあるとされています。
赤ちゃんへの影響はもちろん、アルコールは母乳にも悪影響を及ぼすことが知られており、
母乳をつくり出すために必要なホルモンの働きを抑えてしまうために、
母乳が分泌されにくくなってしまうこともあるそうです。
授乳中にお酒を飲んで良いことは何もありませんね……。
☆アルコールを飲んでから何時間後なら授乳OK?
アルコールは赤ちゃんや母乳に悪い影響を及ぼすため、
本来であれば授乳中には禁酒することが望ましいのですが、
もしお酒を飲んでしまった場合には何時間後から授乳をすることが可能なのでしょうか。
実は、血液中のアルコール濃度がピークになるのは、飲酒してから1時間後
と言われています。
飲酒してから1時間後の母乳を調べてみると、
血液中のアルコール濃度の90%~95%が検出されるそうです。
つまり、ママが飲んだアルコールがほぼそのまま母乳に移行しているということになります。
アメリカで行われた研究によると、
飲酒後1時間半~2時間ほどかけてアルコールが消失していくとされており、
飲酒後の授乳は2時間後を目安にするようにと結論づけられています。
しかし、アルコールの耐性や分解できる速度は人種や個人によっても異なるため、
一概に2時間後であれば安全とは言い切れません。
特に、私たち黄色人種は、黒人や白人の方たちに比べ、
アルコールを無害な酢酸に代謝させるためのアセトアルデヒド脱水酵素の活性が低いと言われており、
研究結果が出ているアメリカの方よりもアルコールを分解するのに時間がかかると思われます。
そのため、飲酒をしてしまった際には、
飲酒後の母乳は搾乳して破棄し、
ママがアルコールの影響を完全に感じなくなったと確信できるまでは
授乳はやめておいた方が良さそうです。
赤ちゃんが母乳を主な栄養源としている月齢にはアルコールは我慢し、
飲むとしても、卒乳間近で授乳回数が1日に1回だけになっていたり、
ミルク寄りの混合の場合などに、飲酒後の様子を慎重に判断しながら
授乳をする時間を決めることが大切だと思います。
☆絶対に避けたいアルコール摂取後の入浴
母乳のこととは話が少々ズレてしまいますが、
アルコールを飲んで酔った状態で赤ちゃんのお世話をすることには注意が必要です。
特に、ママが酔っている状態で赤ちゃんをお風呂に入れることは大変危険ですのでやめましょう。
実際に、2015年4月には東京葛飾区で生後6カ月の女の子が、
2016年1月には東京新宿区で生後11カ月の男の子が、どちらもママが飲酒した状態でお風呂に入り、
眠ってしまったことが原因で溺れて亡くなってしまいました。
「妊娠中からお酒をずっと我慢していて飲みたい」、
「育児で溜まったストレスをお酒を飲んで発散したい!」というママさんの気持ちも分かりますが、
できれば授乳をしている間はアルコールの摂取は避け、
断乳や卒乳後にめでたく解禁した場合でも、お子さんの1日のお世話をすべて終えて、
お子さんが夜に眠った後などに飲むようにしたいですね。
お酒を飲めない期間は、妊娠中から数えて2年ほど、
長くても3年ほどですので、その間はノンアルコールのお酒を利用したり、
お酒に代わる飲み物や食べ物で代用したりと、うまく工夫をして過ごせると一番良いですね。