母乳に含まれる脂肪分、DHA。赤ちゃんに与える影響は?
母乳の色を見たことがありますか?
うすいグレー、白…色々な答えがあると思いますが、すべて正解です。
母乳は、飲み始めと飲み終わりで色が変わります。
飲み始めは青みがかったグレーですが、
時間がたつとクリーミーな白色になります。
これは、母乳にはDHAという脂肪酸が含まれていて
赤ちゃんが飲んでいる間にその脂肪分が増えていくからです。
この脂肪酸は、赤ちゃんの神経の発達にとても重要。
そういわれると、まだ小さな赤ちゃんがいるお母さんは
気になってしまいますよね。
今回は、DHAについてご紹介します。
母乳に含まれる「DHA脂肪酸」ってどんな成分?
DHAは脂肪酸の一種。
脂肪酸のなかでも
特に人間の体には欠かせない必須脂肪酸です。
「DHAは頭が良くなる」という話は聞いたことが
ある方も多いと思います。
そのとおり、脳にとって、かなり大切な成分です。
人間の脳は、水分を除いたら、あとの半分は脂肪でできています。
その4~5%はDHAなんです。
特に記憶を司る海馬には、他の部位の2倍以上もDNAが存在すると言われており、
DNAの量が頭の良さに関わっていると言われるほどです。
脳の他にも、DHAは網膜、心筋、胎盤、母乳など
私たちの体の中に存在し威力を発揮しています。
特に、胎盤や母乳のDHAは赤ちゃんにとって、大事な成分。
おなかの中にいるときは、脳の神経細胞を生成し、
産まれてからは、脳の栄養と生育に役立ちます。
これが、妊娠中からDHAを摂取した方が良いと言われる所以なんです。
赤ちゃんとDHAの関係は
産まれてからの1年間は、最も成長が著しい時期です。
同時に脳が作られる大事な時期でもあります。
DHAは産まれて間もない赤ちゃんにこそ欠かせないのです。
そのため、今ではDHAを摂取できる粉ミルクも増えてきました。
母乳や粉ミルクでDHAをたっぷり赤ちゃんに摂取させれば、
脳がしっかりと発達して、将来頭の良い子に育ってくれるかもと期待もできます。
脳の栄養素と言われるのも頷けますね。
免疫機能を整える作用もあるので、
アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息などのアレルギー防止にもなります。
視力の向上にも効果があると言われ、
DHAを摂取することで未熟児が発症しやすい
未熟児網膜症のリスクを低減できたという報告もあります。
母乳を飲ませると免疫力がつくと言われていますが、
このDHAのおかげだったんですね。
母乳からDHAの摂取は注意が必要?!
私たちの体には欠かせないDHA。
しかし、残念ながら体内で作ることができません。
食事などで摂取するしかないのです。
そして、まだご飯が食べられない赤ちゃんには、
お母さんのおっぱいが頼みの綱なのです。
DHAを多く含むのは魚です。
和食中心で魚を良く食べる日本人は、
世界的に見ても母乳内に含まれていると言われていました。
しかし、欧米型の食生活が定着し、
この20年間で20%減少したというデータもあります。
だからといって、やみくもに魚を食べるのには注意が必要。
青魚には微量ながら水銀が含まれているからです。
授乳で、水銀も赤ちゃんの体に入ってしまうので、
授乳中のお母さんは特に気を付けましょう。
魚を食べる以外でも、サプリメントでDHAを補給する方法もあります。
どうしても水銀が気になるという場合は試してみてはいかがでしょうか。
その時は水銀検査済みのものを選びましょう。
授乳中は特に安全に注意しながら積極的にDHAを取り入れていきましょう。