乳口炎と乳腺炎の違い
「乳口炎」と「乳腺炎」は、ともに授乳中のママにとって身近なトラブルですが、
ふたつの違いについてご存知ですか?
乳口炎と乳腺炎、なんだか名前からしてとっても紛らわしいですよね。
今回は、そんな混同してしまいがちな、乳口炎と乳腺炎の違いについて整理してみたいと思います。
乳口炎の特徴
乳口炎とは、母乳の出口である「乳口」が傷ついて炎症が起きてしまった状態のことです。
乳口炎になると、乳首に直径1ミリ~2ミリくらいの白っぽい水ぶくれ(白斑)ができます。
通常、痛みを伴う場合が多いのですが、
中には全く痛みを感じない場合もあるそうです。
乳口炎の原因は、赤ちゃんの乳首の浅飲みやあそび飲みで乳首が傷ついて起こることが多いです。
他に、食事やママの疲れが原因であるとも言われています。
乳腺炎の特徴
乳腺炎を症状の進行順に大きく分けると、3種類あります。
まず、乳房の一部が赤くなったり、腫れて痛みを伴う「うっ滞性乳腺炎」があります。
うっ滞性乳腺炎は、乳口の詰まりが原因で、母乳が外に出られずに中で溜まってしまうことにより起こります。
次に、その中で溜まってしまった母乳に細菌が繁殖してしまうと、「急性化膿性乳腺炎」になります。
急性化膿性乳腺炎では症状がさらに重くなり、痛みや腫れに加えて高熱も出ます。
さらに、急性化膿性乳腺炎が悪化して、乳房の中で膿の袋が形成されてしまうと「乳輪下膿瘍」と呼ばれる重症の乳腺炎になってしまいます。
ここまでいってしまうと、穿刺(せんし)や切開で中の膿を取り出さなければなりません。
乳腺炎の原因にも、乳口炎と同様、食事やママの疲れが関係しているようです。
乳口炎と乳腺炎の違いと関係
乳口炎と乳腺炎はまず、炎症の場所が違います。
乳口炎は、「母乳の出口である乳口」が炎症を起こしているので、目で見て明らかにわかるのですが、乳口炎は「乳房の中にある乳腺」の炎症なので炎症箇所はすぐにはわかりません。
ただし、しこりがあったり、赤くなったりといった症状があれば、その場所の乳腺が詰まっていると考えることができます。
乳口炎になって母乳の出口が詰まってしまうことが原因で、乳腺炎になってしまうこともあります。
逆に言えば、乳口炎になった段階でしっかり対処をすれば、乳腺炎になるのを防ぐことができるということです。
乳口炎と乳腺炎には密接な関係があるのですね!
乳口炎も乳腺炎も痛くてつらい症状であることに変わりはありませんので、食事に気をつけたり、疲れをためないようにしてしっかりと予防したいですね。