乳腺炎が悪化すると……「急性化膿性乳腺炎」 ⇒ 「急性乳輪下膿瘍」

5520d8e9118d7c2c980737c097dcf0d0_s

乳腺炎は、なりかけの状態でもかなり痛いですよね。

最初は「ちょっと痛いかも」と違和感を感じる程度ですが、

半日も経たないうちに、赤ちゃんの手が少し触れるだけで

飛び上がってしまうくらいの痛みになったりします。

 

初期の段階でもこんなに痛みがあるのに、

乳腺炎が悪化してしまったら一体どうなってしまうのでしょうか。


想像するだけでも怖いですが、乳腺炎の悪化する場合を見ていきたいと思います。

Sponsored Link

乳腺炎が悪化するとどうなるの?

乳腺炎が悪化すると、乳腺内に溜まってしまって

外に出ることのできない母乳は「膿」になってしまいます。

 

膿をそのまま放っておくと、患部が大きく固くなり、

だんだん盛り上がってきます。最初は赤かった患部は、

激痛を伴いながら赤紫色に変色していきます。

 

中の膿は袋状に溜まっており(乳房膿瘍)、

こうなってしまうと抗生物質は中に入っていけないので、

注射器で取り出すか切開する他ありません。

 

なお、このまま放置し続けてさらに悪化すると「自壊」してしまいます

 

自壊とは、膿がたまってパンパンになった袋が内部で破裂し、

乳房の皮膚が耐えきれずに破れてしまうことです。

 

自壊すると乳房には複数の穴が開き、

そこから膿がドロドロと流れ出てきます。

 

この膿を全部絞り出すことができれば乳腺炎の症状は落ち着いてくるのですが、

膿が詰まってしまって出てこなかったりと

なかなか自分で全部はできませんので、病院の先生に押し出してもらう必要があります。

 

自壊してしまうと傷の治りも遅くなりますし、傷跡も残ってしまいますので、

早い段階で切開した方が良いようです。切開も怖いと思っていましたが、

切開より自壊の方が怖いですね……。

Sponsored Link

膿と化膿

乳腺炎が悪化すると膿が溜まって大変なことになってしまうことがわかりましたが、

ところで膿とは一体何なのでしょうか。

 

膿とは、細菌を食べて壊れてしまった白血球や、

死んだ細菌、まだ生きている細菌などを含んだ粘性のある液体です。

 

原因となる細菌は主に、ブドウ球菌、連鎖球菌、緑膿菌で、

細菌の種類によって膿の色が変わります。(黄色や緑)


これらの細菌に感染して炎症が起き、膿が出てきた状態を「化膿」といいます

 

化膿してしまうと傷の治りが遅くなってしまったり、

体の抵抗力が落ちていると細菌が全身に広がって敗血症になり、

最悪の場合、命を落とすこともあります。

乳腺炎は悪化すると本当に恐ろしく、侮ってはいけませんね。

急性乳輪下膿瘍とは

急性化膿性乳腺炎が悪化すると、「急性乳輪下膿瘍」と呼ばれる状態になります。

急性化膿性乳腺炎になってしまった人のうち、約25%が膿瘍に進行してしまうそうです。

 

しかし、急性化膿性乳腺炎の状態のうちに適切な治療をすれば、

膿瘍ができることなく治癒することができます

 

急性乳輪下膿瘍の治療の流れとしては、

まず超音波で膿瘍の状態を観察し、

穿刺(せんし、注射針を刺して中身を吸い取ること)をして膿瘍を確認します。

 

この穿刺で膿を吸引して出す治療と消毒を繰り返して治癒する場合もあれば、

切開しないといけない場合もあります。

 

切開する場合も小さな傷で済みますので、傷跡は目立たなくなるようです。

また、抗生物質も必須ですが、治療中も授乳を続けることができるようなので安心ですね。

 

育児に忙しく、乳腺炎の症状が出ていても我慢してしまいがちですが、

悪化すると大変ですので早めに病院にかかるようにしましょう。

Sponsored link


サブコンテンツ

このページの先頭へ