予防できる!母乳育児中に心配な「くる病」とは?
近年、母乳育児で育っている子に
「くる病」が増えてきていることが問題となっています。
メディアの報道などで既にご存知のママさんもいらっしゃるかも知れませんが、
こんなことを聞くと、母乳育児中のママさんはとても心配になってしまいますよね……。
そこで今回は、気になるくる病と母乳育児の関連性や予防法について
見ていきたいと思います。
☆くる病ってなぁに?
くる病とは、主に骨の成長に必要なビタミンDやカルシウム、リンが
不足することによって起こる骨の病気です。
くる病の主な症状としては、
・骨が軟らかくなって重度のO脚やX脚になる
・関節や肋骨の一部がコブのように膨らむ(肋骨念珠)
・頭蓋骨が柔らかくなり、手で押すとへこむ(頭蓋ろう)
・身長の伸びや体重増加が止まる
・筋力が低下し、運動発達に遅れがみられる
などがあるとされています。
くる病によって骨が大きく変形してしまうと、
骨を固定したり、手術をして矯正をしなければならず、大きな負担がかかりますので、
お子さんの足の様子などの異変に気づいたら早めに受診をすることが大切です。
☆母乳育児はくる病になりやすい!?
くる病と母乳育児にはどのような関連性があるのでしょう。
実は、母乳にはビタミンDがほとんど含まれていないと言われているのです。
赤ちゃんが1日に母乳を飲む量はだいたい0.78リットルとされていますが、
母乳を飲むことで摂取できるビタミンDの量は0.47~2.34μg/ 日となっています。
ところが、ビタミンDの摂取基準量は生後0~5ヶ月で2.5μg/日、
生後6~11ヶ月は5.0μg/日となっているため、
母乳だけでは必要なビタミンDをすべて補うことができないのです。
一方、ミルクの場合はビタミンDが添加されていますので、
ミルク育児の赤ちゃんはビタミンDが不足することはありません。
そのため、母乳育児はビタミンDが不足しやすいことから、
くる病になりやすいと問題視されているのです。
ですが、ビタミンDは母乳以外の食品から摂取をしたり、
日光を浴びることによっても作り出すことができます。
「くる病が怖いから母乳育児をやめようかな」とは早計せず、
母乳以外のところでビタミンDをしっかり補給できるように考えてみましょう。
☆母乳育児中のくる病の予防法
前述した通り、母乳育児で育っているお子さんには、
食事や日光でビタミンDを補給してあげることが必要です。
近年になってくる病が増えてきている背景には、
食物アレルギーやその予防のために離乳食の開始を大幅に遅らせたり、
極端な除去食を行ったりすること、
また、紫外線の悪影響を避けるために
赤ちゃんを日光に当てないようにするご家庭が増えたことがあるとされています。
確かにどちらも心配なことですし、
ママさんは大切な赤ちゃんを守るために良かれと思ってしている行動なのですが、
極端が過ぎると赤ちゃんがくる病になってしまうリスクが高まります。
アレルギーが心配な場合には、かかりつけのお医者さんによく相談し、
自己判断で離乳食の開始を遅らせたり、除去食を行うことはやめましょう。
また、日常生活で浴びるくらいの紫外線は過剰に恐れず、
お散歩や外遊びも行い、お子さんを適度に日光に当ててあげて下さい。
その他、ビタミンDを多く含む食材には、
鮭や秋刀魚などの魚類、しめじなどのキノコ類、卵などがありますので、
母乳育児の子には離乳食に積極的に取り入れ、食べさせてあげるようにして下さいね。
しっかり対策をしておけば、母乳育児でもくる病は恐れることなかれ、ですよ!